- 2022.10.07
- 天童ブルワリーTENDO BREWERY
山形県産フレッシュホップビール誕生
YAMAGATA
FRESH HOP BEER 2022
2022年 夏
「ホップで!クラフトビールで!山形県を盛り上げたい」熱い思いを胸に・・・
新たな挑戦として、地元山形県白鷹町のホップを使ったビールづくりに挑戦しています。
白鷹町は、戦後の減反政策において、米に代わる新たな作物としてホップを栽培を開始。60年以上に渡るホップ栽培の歴史があります。山形県全体としても、冷涼な気候が良質なホップの栽培に適しており、一時は全国トップクラスの一大ホップ産地でした。
しかし、現在は後継者不足問題の影響により、県内の生産者が激減。この度は、ご縁に恵まれ、白鷹町で残る唯一のホップ農家さんのご協力を経て、夢のプロジェクトに繋げることができました。
ホップは、麦と並んでビールにとって最も大切な原料であり、ビールに独特の香りと苦みを与え、清く澄ませる。また、雑菌の繁殖を抑え腐敗を防ぐなど『ビールの魂』ともいえる重要な要素です。
この度用いる白鷹町産のホップは『カスケード』という、アメリカンホップの代表種ともいえる品種です。苦み成分が少ない代わりに、エッセンス成分が極めて高く、フローラル且つスパイシー。そしてグレープフルーツのような爽やかな香りが特徴です。
この貴重なホップの魅力を最大限に引き出すため、TENDO BREWERYのマイスターたちは圃場に足を運んだり、逆に生産者さんを宿にお招きする等交流を深め、活発に情報交換を進めてまいりました。
そして、来る7月31日。
1年に1度しか造ることのできないビールを完成させるために、ブルワリーチームは2班に分かれ、Aチームは早朝から圃場へ収穫に。Bチームはブルワリーで仕込み準備をし、朝摘みのホップを使ってその日のうちにビール仕込みに挑戦。
まずは約3時間かけて、手摘みで毬花を収穫します。
辺り一面、爽やかなシトラスの香りに包まれます。摘みたてのホップは、しっとりしていてとてもきれいですが、蔓から切り離されると、程なくして萎れて変色してしまうとてもデリケートな作物です。大型の保冷バックを6台準備し、輸送中の品質管理にも気を使います。
そして、13時。
白鷹町からまっすぐブルワリーに輸送されたホップは、直ちに粉砕し、予めBチームが仕込んでおいたモルトジュースに投下されます。収穫から僅か3時間後。最高なコンディションを保ちつつ、いよいよ待ちに待った瞬間。ホップ投入!
ホップを熱殺菌しながら3日間にわたってカスケードの豊かな香りを引き出します。通常のビール造りでは、ホップは2回に分けて投下されますが、この度の白鷹ホップでは芳醇な香りを最大限に引き出すため、3回以上に渡り大量の生ホップを投入。この工程を経ることにより、IPL(インディアン・ペール・ラガー)という珍しいビアスタイルに変貌します。
因みに僅か500ℓのビールを造るのに使用した生ホップの量は、軽トラック1台分。
私たち醸造家なら誰しもが憧れる夢のような時であり、採算度外視の贅沢なビール。
今!ここでしか飲めないTENDO BREWERY渾身の一杯をお楽しみください。
【期間限定フレッシュホップビール そよ風ホップ】
スタイル:IPL
ABV:5%
ホップ:カスケード(山形県白鷹町産)
副原料:山形県産 更科蕎麦粉